業務整理・情報整理とFileMaker


スクリーンショット 2016-04-05 12.25.58
FileMakerを使って業務の効率化をはかろうという場合、ご自身で開発するならもちろん「FileMakerの機能を覚える」という点は重要なのですが、実はそれ以上に「業務をどう整理するか」および「業務上発生したデータをどう整理するか」の2点が重要になります。そしてこの2点は、なかなか本を読んでも学べないのがやっかいではあります。そのあたりを、少し考えてみましょう。

■「業務整理」は「入力の効率化」がキモ

ある事例で、基幹システムから来た情報をプリントアウトし、別のシステムに手入力して処理する流れがありました。手入力自体は15分で終わるからと現場の担当者の方は何も疑問を持たず何年もそれを続けていたのですが、こういった流れをやめさせるのがIT化による効率化および正確性向上のためにはとても重要です。データというものは一度正確性が確保されたら、その後は人為的なミスがそもそも入り込む可能性がない状況を作っておく、というものです。

ただし現実には「たった15分だからどうってことない」「この流れで仕事を覚えているのだからいまさら変えないでほしい」「そのために開発予算を出すのはもったいない」などと、この程度の変更でも抵抗にあってしまうことがあります。こうした点においては、長期的視野に立って原理原則を貫くべきであると経営者が認識することが大事であり、その意識が甘いといつまで経っても仕事は属人的になり、本当の効率化は実現できません。

また、宅配便の送り状や商品のJANコードなどはバーコードがあるのでそれで入力すれば間違いはないわけですが、それを手入力するような流れではミスの可能性が排除できない上に非効率です。こうした「二度手間入力」と「自動入力できるのに使っていない」という状況は、絶対に排除せねばなりません。

デジタルデータというものは、一度入力したら複製も集計も自在にできますから、その最初の入力が正確かつ効率的に行えるようにする部分は本気で取り組む必要がある、というわけです。

■「情報整理」は「1レコードの意味」を考えることが大事

業務上発生する情報をFileMakerで処理するためには、これらをどういう形でテーブル分けし、どういうリレーションを組むかという点が重要となります。このあたりの技術を「データモデリング」と呼びますが、これの考え方が間違っていると、たとえFileMakerを使おうとOracleを使おうと、情報の整理はうまくいきません。

データモデリングの技術はそれなりの学習と意識づけがないとなかなか学べませんが、大事なのは「各テーブルごとの1レコードの意味を明確にし、その意味が異なるなら別のテーブルに、同じなら1つのテーブルにまとめる」という点になります。

たとえば販売管理的な業務においては、商品1点あたり1レコードとなる「商品マスタ」のテーブルがあり、1取引あたり1レコードとなる「受注伝票」と、その中の1細目あたり1レコードとなる「受注伝票細目」がある、という感じです。これにさらに1顧客1レコードの「顧客マスタ」や、1日1レコードの「カレンダー」などのテーブルをあわせてひとつのシステムができあがります。

「1レコードの意味」というのは、世の中にある何かの具体的な実態と1対1で対応します。1社の顧客であったり、1点の商品であったり、です。この点での整理はもっとも重要なポイントであり、中途半端なままでは済まされませんので、しっかり整理しておきましょう。

■FileMakerのキモはリレーションとポータル

FileMakerで業務上の課題を解決するには、ほとんどの場合においてリレーションを使い、ポータルで表現します。処理済みフラグのフィールドを用意した上で、そこがチェックされていないものはタスクリストに残す、というような形態です。これがFileMakerのクセなのですが、そこを把握しないでなんでもスクリプトで処理しようとする場面をよく目にしますが、これは業務上のミスやトラブルの要因となり得ます。

FileMakerの思想のようなものを把握してゆくと、システム構築も効率化できます。

このあたりはなかなか学習するのが難しい題材ですが、プロにしっかりデータモデリングをしてもらって、それを改造してゆくことから効率化を進めてゆくという方法もあります。