Appleがデータベース企業を買収


日本ではそれほど意識されませんが、FileMaker社は正真正銘Appleの100%子会社です。もともとAppleのソフトウェア部門がクラリス社として独立してクラリスワークスなどを開発・販売していて、その一製品としてFileMakerがラインアップに加えられました。そしてクラリス社がAppleに再統合されることになったとき、単独で強固なユーザ基盤を持っていたFileMakerという製品だけ独立させたという経緯です。

FileMaker社が独立する際にオラクルやマイクロソフトなどへの売却も噂されたのですが、結局はApple子会社という道を選びました。「FileMakerがないと仕事にならない」という人が一定数確実にいて、競合も性能面で劣る[*1]マイクロソフトAccessくらいなので、アプリ販売も好調で安定した企業として長期にわたって成長し続けています。そう、FileMaker社ってずっとビジネス好調なんですよ、羨ましいくらい(笑)。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NLQQNJ6JIJV301.html

[*1] FileMaker vs Accessの話は本題ではないので語りませんが、処理できるデータの量においてFileMakerのほうがかなり上であり、共有環境での利用も考慮するとFileMakerのほうが「格上」であることは数字的な事実です。
Appleが買収を発表した「FoundationDB」のWebサイト。Rock-solid=盤石なシステムが売り文句

Appleが買収を発表した「FoundationDB」のWebサイト。Rock-solid=盤石なシステムが売り文句

で、そのAppleが「FoundationDB」というバージニア州のあまり知られていないデータベース企業を買収したというニュースが流れました。この会社は先進的な構造のデータベースに取り組んでおり、大規模なシステムを安定・高速に動作させるためのノウハウを持っています。

「おっ、これはついにFileMakerを根本的にテコ入れし、最新アーキテクチャとクラウド対応を進めてくれるのかっ!」と一瞬期待したのですが、TechCrunchなどの報道によると別にそういう話ではなく、iOS機器やApple Watchなどの躍進により負担が大きくなったサービス提供部分の裏方を強化しよう、という内容です。

ということで「Appleが優秀なデータベースシステム企業を買収」という話ですが、FileMakerユーザにはとりあえず関係はないようです。

でも、ちょっとだけ期待はしてしまいます。システムのクラウド化はこれからもっと進むわけで、その中でFileMakerがクラウドに対応しづらい点はすでにネックとなっていると言えますから。

余談ですが筆者自身は数年前に「Amazon Web Service上にFileMaker Serverを構築する」という書籍を著したことがあって、当時全然売れず苦い思い出になっていたりします。まあまあ実用になるんですけど…。